南の果て、野菜不足と戦う毎日。 羊のバーベキューに舌鼓を打ちながらも ふとした拍子に思い出すケンタッキーフライドチキンの味…。ああ、望郷。
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ヒッチハイク
2月25日

仕事でアルゼンチン、チリの国境の集落を訪れました。
何も無い吹きっさらしの国境事務所があり、隣に数件のドライブインがあるだけのようなところです。(奥には一応集落があるのですが)往路はプエルトナタレスから知人に運んでもらいましたが、彼が仕事に戻ってしまうと、そこはたまに国境越えの観光車両が通るだけのホントに心細い所です。おまけに昨日は風も強く(時速100km超)まさに西部劇の中に紛れ込んでしまったかのような感覚です。数台の観光車両の他には、パイネ国立公園の入り口にも当たるので、時々、今発生している山火事の消火に徴用されているトラクターやらブルトーザーが大きな音を響かせて通り過ぎるだけ。

そこで仕事を終えた後、夕方、さてプエルトナタレスまで戻ろうと
して、まずは集落までトコトコ歩いていきます。もちろんタクシーなんて走ってもいません。バスもありません。やっと見つけたのは
『馬レンタルします』の看板。でもカーネルは馬に乗れません。
乗れたとしてもカーネルは巨体なんです。馬が死んじゃいます。

しょうがないからドライブインに戻って、パイネ公園からの観光を終えた車に乗せてもらおうと1時間ほど待ちます。その間、通った車はマイクロバス2台。どちらもお客さんの貸しきり車両で乗せてもらえません。

ただ待っているだけじゃ何時になるか分からない!と覚悟を決めた私、ますます風が強くなる中、プエルトナタレスへの60kmの道を
トボトボ歩き始めました。もちろん、徒歩では明日の朝になっても
たどり着けないことは分かっています。どこかで乗っけてくれる
車に会うだろう、という超甘い観測のもと、逆風に逆らいながら
ゆっくり歩いていきます。

10分位すると、1台のミ二バンが私の後ろからやってきます。
立ち止まり合図をしますが・・・止まってくれません。
座席は空いてたのに・・・ケチ!
その後、2台ほど自家用車が私を追い越しましたが、どちらも
止まってはくれません。

再び歩き出すとすぐに、風は雨混じりになってきました。横殴りの雨です。30分くらい歩いて、前方右手の牧場の中に、民家が見えてきました。牧場なら猟銃くらいあるだろう!と考えた私の頭の中は既に正常ではありません・・・。

ちょっくら猟銃借りて、道路の真ん中に私の巨体で突っ立ってた ら、殆どの車を止める自信はありました。そのまま轢き殺される可能性も否定できませんでしたが・・・。

その『素敵な』考えに浸り、道路脇の岩に腰を下ろして俯いていた
私の前に、1台のトラックが止まりました。座席には2人のおじさん。『これも一杯か』と思ったら、運転してたおじさんが

『ナタレスか?荷台でよけりゃ乗んな。』

喜び勇んで荷台に駆け上がる私に、ちょっと匂うけど我慢しなと
言いながら、おっちゃんは雨しのぎにゴザみたいなのを投げてくれました。荷台の周囲にはちゃんと囲いもしてあって、屋根こそ無いものの、ちゃんと天井にも柵がついてます。

『人の情けが身に染みるぅ~』

およそ40分間、寒さに耐えてプエルトナタレスが見えてきました。分かれ道で車を止めたおっちゃんたち、

『ここからなら歩けるだろ?』

『もうホントに感謝の言葉もありません。あなたたちのおかげで
 人の道を踏む外さずに済みました・・・』

と感動している私に

『じゃ、おれたちゃこれから仕事だから』

『えっ?だってもう夜ですよ?』

『夜だろうとなんだろうと、今日中にこの先の牧場から牛4頭
 町まで運ばにゃなんねぇ』

『・・・・・・・・・・・・・・・・・そう・・・頑張ってね。』

牛?・・・運ぶ?・・・荷台?・・・柵?檻?・・・・・・・。

とにかくありがとね、おっちゃんたち。

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